東京オリンピックで6位入賞した大迫傑選手の走りに感動【決戦前のランニングノート】
札幌で行われた東京オリンピックの男子マラソン。この大会で引退を表明して退路を絶って望んだ大迫傑選手。
ゴール前では苦しそうな表情を緩め、笑顔を見せて軽く片手をあげ、穏やかな笑顔でゴールした大迫選手でしたが、ゴール後、TVに映った顔は目を赤くした泣き顔に変わっていました。
インタビューでは、やり切った、自分の走りは100点満点と表現し、ゴール前の笑顔と片手をあげたことは、いろんな人がいろんな形で応援してくれ協力してくれた。力になったと周りに感謝したと語り、汗と涙をタオルで拭きました。
自分は精一杯やって6位という成績だったが、次の世代はそれよりももっと良い成績を出すようになるだろうと次の世代にバトンを渡しました。これからどうするかの質問に、しっかり真っ直ぐ進んでいきたいと話していて、陸上関係者として陸上に関わって行きたいと「次世代の育成」に携わるとの決意のように聞こえました。
大迫選手の現役ラストレースとなった東京オリンピックの男子マラソンの様子
場所は札幌。気温は27度、風が7m/s前後の風があるものの、先頭集団にいる有力な選手が早々と立ち止まったり、脱水症状のようなフラフラ状態になったり、30人が途中棄権するという数字では測れない過酷な気候の状況でした。
午前7時、札幌大通公園をスタートして、市内を大きく20k回ってから北海道大学構内を含む10kの小さなコースを2周する、変則周回コースです。
前日の女子マラソンでは気温上昇で健康配慮から1時間前倒してでのスタートになったが、男子は予定通りの7時スタート。
序盤から先頭集団で走っていた大迫傑選手ですが、30kからペースが上がり、遅れて8位まで後退しました。粘りの走りで6位まで順位を上げ、銀メダル銅メダル争いを第二集団に追いつくのではないかという夢を見せてくれました。
最後はどう走ったか振り返った大迫選手は、一歩一歩かみしめながら、痛みとの戦いだったと振り返りました。ねばって、最後はおいつけるかなと思った時もあったけれど、39kあたりから、足が攣りかけたのでこのまま粘って6位をキープしようと耐えて最後まで走り切ったそうです。「みんなそうだと思いますが」と前置きをして「耐えた」と話しました。
キプチョゲ選手が、圧倒的に一人だけ強いレースでした。オリンピック2連覇。準備はできたあとはやるだけとレース前にキプチョゲ選手の完全勝利でした。
中村選手は、62位。怪我で、はじめから先頭集団に加わらず、走り切ったが思うように体が動かず、辛いレースだったようです。スタートラインに立てたことを感謝していました。もう一度戻ってきて強い姿見せられるよう戻ってきたいと語りました。
第二服部選手はフラフラで歯を食いしばって、太腿の裏の痛みがあるようでした。73番目のゴール。後倒れ込んで車椅子に乗せられて運ばれていきまいた。76名の選手が完走しました。
🥇 エリウド・キプチョゲ/ケニア 2:08:38
🥈 アブディ・ナギーエ/オランダ +1:20
🥉 バシル・アブディ/ベルギー +1:22
6位 大迫 傑/日本 +2:03
62位 中村 匠吾 +13:45
73位 服部 勇馬 +21:30
男子マラソンの動画は、NHKのサイト「東京2020オリンピック」で無料で見ることができます。
「決戦前のランニングノート」を読んだ
我慢することが弱いなら捨てることを考える
コロナの感染者数、IOCやJOCの対応、オリンピックは開催されるのか……日本にいても、アメリカにいても、毎日テレビやネットから色々な情報が流れてきて、自分が知りたくないことまで耳に入ってくる。その情報の波に勝てるほど、僕は強くないし、その場にいたら、少なからずのみ込まれてしまって、平穏な気持ちではいられなかったでしょう。
文春オンラインhttps://bunshun.jp/articles/-/47586
大迫傑選手が出した本を読みました。
現在はいろんなストレスがあります。
人によってリスクの捉え方の違い、向き合い方の違い、どんな情報を取り入れて、何を耳に入れないようにするか。
漠然としていたり、あやふやなまま付き合えた隣人と価値観の違いに愕然した人も少なくないと思います。
そうはいっても、全く同じ価値観の人はいません。自分が正義で、自分と違うと悪だ言っていちゃもんをつけるのは違います。違う考えもあるのだということ、自分の意見が尊重されたければ、他人の意見にも耳を傾けて、相手の立場になって考え、同意や賛成する必要はありませんが、そういう考えもあるんだという事実は受け入れなくてはいけません。
ですが、あまりにも自分と違う意見や考え持つ人間に囲まれて、その価値観を常に聞かされたり、従うように言われることはストレスになります。
給料とか環境とか、何かを得るためにその場にいなくてはならない時に、その給料や環境を捨てる勇気があれば、もっとストレスの少ない状況に身を置くことできるかもしれません。
落ち着いた気持ちの環境は用意されたものではなく自分でつくるもの
日本を出るときは、家族や友人との時間、おいしい食事や快適な生活など、いろいろなものを捨ててこなくてはいけませんでした。だけど、いざ捨ててみると、すごく落ち着いた気持ちで走ることができている。僕に唯一特別な能力があるとしたら、「捨てる勇気を持てる」ことじゃないでしょうか。
文春オンラインよりhttps://bunshun.jp/articles/-/47586?page=2
誰でも、イライラしてしまう時があります。
それは、本当に自分以外の他人のせいなのでしょうか。
そうかもしれませんし、違うかもしれません。
もし、もう嫌だと思うような時が多いのであれば、その環境を捨てることを考えるのは悪いことではありません。逃げることは情けないことではありません。捨てたり逃げたりしないと、新しい環境は手に入らないのです。
まとめー今の大迫傑選手を知りたいなら【決戦前のランニングノート】
東京オリンピックの大迫傑選手の走りは素晴らしかったです。
彼が育てる選手はどんな選手なのでしょうか。
今後の日本のマラソン哲学の基となる本を読んだのかもしれません。