「視覚障害者は障害者の大会じゃなくて、普通に空手の大会に出られないんですか?」

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ルール上、視覚障害者は障害者の大会じゃなくて、普通に空手の大会に出られるのか

ルール上は可能だと考えられます。

公益財団法人全日本空手道連盟から出されている『空手競技規定』の形競技第5条評価基準5.2の中で、「形は、演武開始の礼から演武終了までの演武が評価される。」となっており、演武 の採点は,入場開始時ではなく,開始線の 前に立ったところからが対象と考えることができます。

 開始線までの誘導をサ ポートすれば、コート内での演武は 1 人でできますし、開始線 の前に立つところまでをサポートし たとしても,現ルールでは有利にも不利に もならず、採点結果が左右さ れることも無いということになります。礼が終わった段階で、サポートが入れば、時間のロスも問題にならない程度です。

平成29年9月8日、関西大学で行われた、日本武道学会第 50 回大会 障害者武道専門分科会 シンポジウム「障害ある武道家が参加するオリンピック・パラリンピック 空手道の場合を通じて考える」の中で、視覚障害者のオリンピックの参加について討論があったようです。

オーストラリア代表として、レイモンド・モーコム選手がすでにプレミアムリーグの形の試合に出ていることもあり、オリンピックの代表の選手にもなれる可能性があることを、森ノ宮医療大学の小山先生、防衛大学校の三村先生、国際武道大学の松井先生、3名とも、開始線までサポートすることに、採点上なんら問題はないとする発言をしています。

オリンピックの代表選手になれる可能性があると判断されるのであれば、その予選会となる地方の大会の参加は当然認められると思います。

この議論は、視覚障害者はオリンピックの代表になれるかの議論であり、一般の地方の大会をイメージされたものではありませんでした。しかし、オリンピック選手であっても、はじめての大会参加はあるはずで、それは住んでいる地域の大会なのではないでしょうか。

大会の安全性の確保への不安と特別なサポート体制を取るべきかの懸念がある

大会に参加するためには、サポートをする介助人がコートの中に入る大会事務局の許可が必要になります。その他の特別扱いは必要ないと考えます。

大会運営の方々は、大会が問題なく行われる事に尽力いただいています。安全性が確保されるかどうか懸念材料があり、まして大会として前例がないと許可できないと判断することが予想されます。

しかし、幼児など一人で会場に来られない子供も大会に参加しているように、保護者やサポートする人がいれば、大会会場や会場内の安全は確保されるものと考えます。

他の選手と同じように、大会に参加する事による本人自身など周りへの安全は、参加する選手が自分で準備すべきことです。

大会事務局側は、特別なサポート体制や人員の増員も必要なく、介助人のコート内の許可のみが必要だと思われます。

懸念材料を無くする具体的な方法は何か

視覚障害者がサポートする人を自分で連れてくることを、大会参加の条件にするのはどうでしょうか。

視覚障害者など、サポートが必要な選手は、参加申し込み用紙を別にして、「コート内の誘導も含めて、会場内にいる全ての時間、常にサポートする人を自分で用意できる」にチェックしてもらい、当日サポートをするすぐに連絡のつく連絡先電話番号などを記載するようにしてもらえば、大会事務局の精神的な負担も減らせるのではないでしょうか。

大会事務局は、サポート者がコートに入ることを認めるだけで、他の特別扱いは要らないでしょう。

コートに入ることを自由にさせることに懸念があるのであれば、「介助人が必要で、申し込みの際に申し出た選手の介助人がコートに出入りできる」として、「腕章やビブスなど視覚障害者のサポートであることが分かるようなものを身につけること」を条件に加えることで解決できると思います。

視覚障害者は、外出の際にへルパー等介助者を伴って移動することが日常になっている人も多いです。普通の生活の延長線上で考えたらいいので、本人の負担は、さほどでもないと考えます。

「私は大会に出ることが出来ないのでしょうか?」答えられませんでした。

「年に一度、東京武道館で行われている全日本障がい者空手道選手権がありますよ。」

「障害者の括りじゃなくて、住んでいるこの地域の一般の大会には出られないのでしょうか?」

視覚障害者のカテゴリーがある大会に出たらいいと単純に考えていた私にとって、思いもしない質問でした。

「視覚障害者のカテゴリーがないので、対戦相手がいないと試合として成り立たないですよ。」

「視覚障害者の部で出たいわけじゃなくて、普通の人と比べてどうなのか一般の部でチャレンジしてみたいのです。飛行機に乗ってホテルを取ってじゃいろんな意味で負担が大きいので、地元の大会があるのなら、出てみたいのです。

どうして、近くの一般の部では出られないのでしょうか?」

「例えば、正面で形をはじめても、方向がずれてしまって、正しい方向を向けなければ、正しい形を行っていないとして高評価は得られず点数は低くなりまります。ですから、同じ条件になる同じカテゴリー内で競った方がいいと思うのですが、どうでしょう。」

「視覚障害者というカテゴリーであっても、全盲と少し見える人では同じ条件とは言えないと思います。

評価の基準やルールに異論はないのです。ズレて点数が低くなるのも納得しています。ズレないように練習するだけです。ルールに視覚障害者は出られないとされているのでしょうか。

組手で出られないのは理解できるのです。だけど、形では危険がそれほどないと思いますし、線まで来れたら、あとは一人で形を出来ますし、どうして出られないのかわからないのです。

コートに一人で入ることが条件なら、コートの端から何歩で演武開始の線の位置まで行けるかも稽古すればいいですよね。どうしたら出られるようになりますか?」

答えられませんでした。

疑問には、ルールをちゃんと調べてみて、根拠を持って回答を出さなくてはなりません。

今の個人にできること

残念な事に、現在は大会そのものの開催が中止になっています。いつになったら大会が再開されるのかも分かりません。

全空連の空手競技規定に準じて行われている地方の大会の責任者や運営者は、前例のない事の決断は、規定の過大解釈になる危険があります。大会を正しく行われなかったら、その先にある都道府県の大会、全国大会の予選と認められず、他の参加者に迷惑がかかるかもしれません。

その危険は犯せないので、一個人の希望は、単なるわがままと聞こえてしまうかもしれません。

視覚障害者が一般の部の試合に出たいということは、果たしてそれに当てはまるのでしょうか。

声を上げることはできますが、人を巻き込んでおおごとにする前に、本人の覚悟のほどを確認しておかなくてはなりません。

その前に、今、自分たちが置かれている立場から何ができるのか。それをやり切って、なお乗り越えられない壁があるのか。考える必要があります。

今、稽古ができていません。まずは、大会に出られるよう稽古をすることが大事です。

そして、大会に出たいと思う気持ちが再び出てきたら、まずは自分の流派、そして住んでいる地域の大会と段階を踏んで、何らかの事実を積み上げるしかないのかなと思っています。

今は、稽古です。

まとめ

オーストラリア代表選手のプレミアムリーグの参加があったのであれば、すでにルール上、オリンピックの代表選手になれる可能性があり、その予選会となる地方の大会へ、視覚障害者の形の選手の参加は、希望があれば認められてもいいと考えられます。

大会に参加する経験が、人を成長させ、稽古へのモチベーションになり、自己肯定感ややり甲斐、生きがいに繋がっていくことは、空手に携わる諸先輩、諸先生は理解していただけると思います。

しかし、参加する側の単純な考えではわからない判断もあると思います。

熱意を持って空手に取り組み、稽古を続けられるのかが今後の課題かもしれません。級ももらえないですし、大会参加もない状態ですから。少しづつ力をつけていることを、的確に伝えられるように努力します。

視覚障害者など、障害のある人が空手をする環境は年々良くなっていると思います。

視覚障害者などの障害のある人は、一般の選手と自由組手ができず、条件をクリアすることが出来ないため、地方で行われる全空連の昇級試験は受けられません。

それが、全日本障がい者空手道選手権大会の参加回数などの条件はありますが、大会の前日に行われる昇級昇段試験を受けられるようになりました。

全空連が公式に認める黒帯を締めることが出来ることは、稽古への大きなモチベーションになると思います。

さぁ、あとは稽古をするだけですね。

参考資料

日本武道学会第 50 回大会 障害者武道専門分科会 シンポジウム「障害ある武道家が参加するオリンピック・パラリンピック 空手道の場合を通じて考える」

第15回全日本障がい者空手道競技大会実施要項(兵庫県空手道連盟ホームページより)

平成30年度全日本障がい者空手道競技大会公認段位及び公認段位審査会 実施要項

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