映画『ベスト・キッド』ミヤギ先生に空手修行の指導方法を学ぶ

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『ベスト・キッド』沖縄出身、漁師で空手家の一族であるミヤギ先生の指導方法を学ぶ

ミヤギという苗字を聞くと、空手をやっているものなら、宮城長順氏の名前を思い、ミヤギ先生は、剛柔流の流れなのかなと想像します。

沖縄出身、漁師で空手家の一族であるミヤギ先生の指導方法は、『ベスト・キッド』の映画を観た世界中の人を納得させ、矛盾を感じませんでした。

実際の指導に生かすことを目指し、ミヤギ先生の指導方法を見てみたいと思います。

はじめに、きちんと稽古する意志はあるか、相手に確認する

どちらにしますか?教える方も真剣に取り組む覚悟がいります。

やりますか?やりませんか?

「道を歩く時、右端や左端を歩けば安全だが、真ん中を歩けば潰される。カラテも同じだ。カラテをやるのはいい、やらないのもいい。中途半端にやると潰される。わかったか?」

やる気があるかどうか確認することは大事です。

「やる気があるなら、こちらもそのつもりでしっかり教えます。どのレベルでやるつもりですか?どうしますか?」

言葉にしなくてはわからないことがあります。耳障りの良いことを言って、後から返事をするとか、その場を取り繕うことは、待つ側の時間を奪うことになります。

聞かれたことはきちんと答えたいです。また、自分が望む答えじゃなくても、腹を立てない人間性を身につけたいですね。

師のやり方に従うことはできるか約束する

はじめての人は、師に学ぶことがどういうことかわかりません。師によってはやり方が全然違います。

教える方も、これだけは守って欲しい、これだけはやらないで欲しいということを明確に相手に伝わる言葉で事前に伝えて、約束する必要性を感じました。

「約束しよう。私は君にしっかりカラテを教える。君は学ぶ側だ。私の言うことに従い質問はしないこと。できますか?」

約束を破った時には、約束したはずだ、と声は荒げず、しかしキッパリと言えばいいのですね。それでもごちゃごちゃ言う時は、「やりなさい」と短い言葉でハッキリ面と向かって言う。そして指示に従ったら、あの時やらなかったとか文句もごちゃごちゃ言わないようにするのが良いですよね。

質の高い適切な稽古の量を指導者が設定する

繰り返し行って体が覚えられる量はどのくらいか、指導者側が設定します。これはとても大事だと思いました。

上達しないのは指導者のトレーニングメニューに問題があるのです。

トレーニングの終わりを明確にして、その終わりの目標に向かって、生徒達はひたすら同じ動作を繰り返します。それが実戦で発揮されてこそ、良い指導者です。

大切である呼吸に合わせて動くよう注意して稽古をします。

左右の差が出ないように、どちらも同じように動くように同じだけの量を繰り返します。

①ワックスオン、ワックスオフ

「すべての車を洗い、ワックスをかけなさい。右手でワックスをかけ、左手で拭き取る。内から円を描くように、ワックスをかけ、拭き取る。

息は鼻から吸い、口から吐く。何より呼吸が大切だ。」

②ライト、サークル、レフト サークル

ワックスとは反対まわし、外から円を描くようにヤスリをかけさせた。呼吸を大切にして、作ったすべてのウッドデッキにヤスリをかける。

③アップ ダウン

小さい板は左手で、大きな板は右手で、塀のペンキ塗り。

今度の動きは手の甲を上に向け、手首を使って上下に動かす。手首に集中して、長いストロークで行う。上に行く時も、下に下ろす時も、手首はしっかり曲げて行う。膝を落として。

④ライト、レフト

今度は家の外壁のペンキ塗り。上下はダメ、左右で。右手と左手を半々ずつ使う指示の紙を家に貼ってミヤギ氏はいない。

独りで稽古をさせる。一人で稽古をすることは大事だ。人が見ていないとサボったり手を抜いたりする気持ちも生まれやすい。はじめのうちは、先生と共に稽古をして、だんだんと空いている時間に一人で稽古をするかしないかで成長の度合いが変わってくる。

⑤怪我に対する知識を指導者は持つ

肩が痛いと言うダニエルに、ミヤギ氏は掌を擦り合わせて温めてから痛いと言う肩に手を当てます。空手の達人たちは、治療的なことの知識も持っていたと聞きます。

何のためにそれをやっていたのか、理解できる時がきたら説明する

ごちゃごちゃ言うダニエルに、ミヤギ先生ははじめて大きな声を出します。「ヤレ」そのあとはすぐに穏やかな声に戻ります。

はじめの約束です。教える方も真剣に教えているのですから、学ぶ方も質問をしないで言われたようにやると言う約束を守らなくてはなりません

「集中して、目を見ろ。力を入れて親指を内側に」

「常に相手の目を見ろ」

①相手の上段の連続の突きを、左右にかわし受ける

「ワックスがけを見せてごらん」

今度は、掌を下から上に、内側から弧を描くように手を動かします。

②相手の上段中段の突きを、上下でかわし受ける

「次は壁のペンキ塗り、上、下」

上は、手首で突き上げます、下は掌底で落とします。

③相手の突きを内側から左右でかわし受ける

「今度は家の壁、左右」

手首に力を入れて、上下の動きと同じく左右へも動かします。

④相手の蹴りを落とす

「ヤスリかけを見せてごらん」

自分の顔のから胸にかけて、前を通るように、掌を相手に向けて、上から下へ大きく弧を描くように下ろします。

バランスの重要性

海に首まで浸かって、バランスの稽古に入ります。

木のクイに片足で立って、ジャンプして蹴って足を変える動作をミヤギ先生が行っています。

これに憧れて空手を始めた人が世界中にいることでしょう。

教えてほしいというダニエルに、

「飛ぶことよりも立つことを覚えなさい。それが自然の理だ」とミヤギ先生はいいます。物事には順番があります。

酔っ払いに絡まれる場面で、ビールの頭を手刀で吹き飛ばす場面がありますが、やはりあれも、日頃から手そのものを鍛えていないと出来ることではありませんね。

鶴のように両手を広げて片足で立つポーズは、剛柔流尚礼館の渡口政吉氏の「白鶴の型」をモチーフにしていると言われています。

湖に浮かべたボート先に立って防御の稽古を繰り返します。

攻撃はいつ学ぶのかと聞くダニエルに、バランスを学ぶ方が先だ、バランスが良ければ全てうまくいくとミヤギ先生は語ります。

精神を整える

「空手は戦う訓練でしょう?」とダニエルさんが聞きます。

「そう思うのか?」とミヤギ先生は聞き返します。

「No」

「じゃあ何故稽古をするのか」

「戦わないため」

「見込みがある」と嬉しそうなミヤギ先生。

くーー。痺れます。

沖縄の空手や伝統空手が好きな人は共感者が多いと思います。

アメリカのために太平洋戦争で戦って勲章を貰うほどのミヤギ先生の奥さんは日系人のために強制収容所に連行され、出産の合併症で母子ともに亡くなった設定です。

ダニエルさんが、落ち込んでミヤギ先生をたずねると、酔い潰れ悲しそうに嘆く先生の姿を見ます。師の悲しい過去を知ります。酔い潰れて眠る師に一礼して帰るダニエルさん。深いですね。

一人で海で鶴の構えを練習したり、小船に乗って、防御と突きの練習をしたり、精力的に稽古をする。

突きに体重を乗せる

ミヤギ先生は防具をつけて、ダニエルさんに腕力だけではない体重の乗った突きを教えました。下半身も使い気合も入れる全身を拳先に集める練習を繰り返します。先生も身体をはってます。良いぞ良いぞと声をかけます。

無駄な動きはいらない。精神を集中させてパワーを込めろ。

人として付き合い、人として信じ合う

ダニエルさんの誕生日をケーキで祝います。プレゼントは空手着、そして免許を取ったダニエルさんに車。

自分の実力がわからないというダニエルさんに、ミヤギ先生は、「それで良い、学んだことの質を信じなさい量ではない」と言います。そう言い切れる質の良い練習をさせて、やり切った弟子を信じるミヤギ先生を尊敬します。

わすれるなよ、運転免許証より、耳や目、頭の方が大事だ。

人生は全てバランス、バランスを鍛えるとすべてが好転する。

まとめ

パット・モリタ演じるミヤギ先生の教えをまとめてみました。

トレーニングのカリキュラムと量が、空手の上達に役立つかどうかは別にして、生徒をさん付けで呼び技術が下でも、年齢が下でも、人を敬うことの大切さや精神論、仲間を大切にすること、人を許すことなど、多くのことをミヤギ先生から学ばせてもらいました。

そして、心に浮かんで頭から離れないことがあるのであれば、願い続けていればきっと叶うということも、映画『ベスト・キッド』の中でミヤギ先生はジェスチャー付きで言っています。

空手は、頭と心で行うものです。

おそらく剛柔流の流れが強いベスト・キッドなので、宮城長順氏の言葉を書いて終わります。

「人に打たれず、人を打たず、事なきを基とするなり」

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