オリンピック選手のような空手の形をやりたい人はどの流派で習ったら良いのか

目次

空手の形をやりたい人はどの流派で習ったら良いのか

現在のオリンピック女子の形の代表選手、清水希容選手は「糸東流」です。

優勝を狙う選手は、決勝戦でその流派の最高峰の形を持ってくるような戦術で戦います。

近年は、糸東流の最高峰の形、チャタンヤラクーシャンクーを決勝でみる機会が多いです。チャタンヤラクーシャンクーをやりたいなら糸東流です。

世界一美しい空手の形として全世界に名を轟かせた宇佐美里香さんも糸東流で、披露した形はチャタンヤラクーシャンクーでした。

このように大きな大会で見るチャタンヤラクーシャンクーの他、糸東流は流派の公認の形数が他の流派に比べて多いです。清水希容さんや宇佐美里香さんに憧れて、色んな空手の形をやってみたいと思ったのであれば、糸東流をお勧めします。

しかし、良いなぁと思っている憧れの選手が、違う選手だというなら、ちょっと待ってください。自分の憧れた選手の形が、糸東流では学べないかもしれません。

世界一美しい形と好評を得た宇佐美里香さんの形

フルコンタクト以外の伝統空手はどこも同じで形は好きなのをしたら良いんじゃないの?

同じではないのです。

空手の流派は沢山あり、「創始者が流派を立ち上げる」ことで誕生しますから、どのような稽古をしてきたのかで、学んできた形は違います。全ての形を学ぶわけではありません。

歴史のある沖縄の空手や四大流派などは、どんな形を学べるか、流派の名前を聞いただけで予測がつきます。

しかし、新しく誕生している流派や、流派もない団体のところもありますから、学ぶ際には質問してみると良いでしょう。

今回はオリンピック選手のような…というブログタイトルにしましたので、オリンピックに出場するために所属していなくてはならない、全日本空手道連盟に所属している空手についての話にします。

流派の違いは空手の形の特徴の違いにつながる

空手には流派は、先人の理論の違いで、先人の教えに基づいた空手を一人で稽古ができるように形があります。

流派の違いは、理論の違いですから、その流派の理論に基づいた形を練習する必要があり、流派によって大事に思っている形は異なります。

同じ基本の形でも流派によって解釈が異なり、蹴りの種類や蹴る位置も変わっているのです。どれが正しいとか間違えとかではありません。考え方の違いです。

どれも一理あるのです。お互い違っていて、お互いを認めて共存しています。

空手の流派の共存は、人間の理想とする社会だと思っています。

先人の教えを理論で理解して、体現できるように、身につけられる形を繰り返し稽古をしています。

空手を学ぶ者の多くは、武道の精神で空手を行っているので、試合に出て勝つことを目標としているためだけに形を稽古しているわけではありません。

もちろん、オリンピックなど大きな大会に出るからには、勝ちたいのは当然です。だからと言って、そのために理論を捻じ曲げることは自分は武道を学んでいるんだと思っている者にはいません。

オリンピックが行われ、空手がスポーツとして捉えられる時、外国人選手は勝ちに来ます。古の稽古の方法ではなく、科学的な勝つためのトレーニングを重視してきている国もあります。

競技として捉え、より速く、より力強く見えるように理論の範囲内で行うことは大事です。勝ちたいと望むのであれば、こだわって、主に外国人選手に見られるように、流派に拘らない、ジャッジが高得点を出しやすい形を研究して形を打つような、空手道ではなくKARATEとして、スポーツ、競技空手の一つの道だと考える選手が出てくることも、やぶさかではないと個人的には思っています。

期間が限られている学生の空手は、町道場とは雰囲気が異なり、スポーツの意味合いが強いです。

空手の形を繰り返し稽古することの重要性

小さな子供から老人、初心者から高段者まで、同じ形を練習しています。それぞれのレベルに応じた自分の課題を克服するべく、自分の中で目標を持って稽古をしています。

そして、稽古を続けると、修行してたことを身体が覚えていること、今日よりも明日、なんらかの成長が出来ることを知っているのです。

成長は体だけの話ではありません。精神や心、考え方、人との間合いなどコミュニケーション能力など様々なことにつながります。

全空連に所属する団体を大きく系統で分けた四大流派ごとの指定形など

四大流派とは、糸東流、剛柔流、松濤館流、和道流です。

糸東流は第一指定形がバッサイダイとセイエイチン、第二指定形はニーパイポと松村ローハイです。

剛柔流は第一指定形がセーパイとサイファ、第二指定形はセーパイとクルルンファです。

松濤館流は第一指定形が慈恩(じおん)と観空大(かんくうだい)、第二指定形は燕飛(えんぴ)、観空小(かんくうしょう)です。

和道流は第一指定形がセイシャンとチントウ、第二指定形はクーシャンクーとニーセーシです。

形は、まずそれぞれの流派の基本形を学びます。地方大会で予選で使われたりします。糸東流は平安初段から五段、剛柔流はゲキサイ第一・第二、松濤館流派は平安初段から五段、和道流ピンアン初段から五段を学びます。

全空連の共通認識されたこれらの基本形や指定形は書籍やDVDになっています。改訂も行われますので、必要な人は、調べて最新の教範やDVDかBlu-rayの購入をしてください。

空手道形教範 基本形

空手道教範 基本形 Vol.1 基本形一(剛柔)基本形二(糸東) 編(DVD)

空手道教範 基本形 Vol.2 基本形三(松涛館)基本形四(和道) 編(DVD)

空手道形教範 第一指定形

空手道形教範 第二指定形

空手道形教範 第一指定形Vol.1 剛柔・松涛館 編(DVD)

空手道形教範 第一指定形Vol.2 糸東・和道 編(DVD)

空手道形教範 第二指定形Vol.1 剛柔・松涛館 編(DVD)

空手道形教範 第二指定形Vol.2 糸東・和道 編(DVD)

痛いことはしたくないんだけど

空手は基本と組手と形と、バランスよく稽古するものですが、怪我をしないような配慮はどこの道場でも行っていると思います。しかし武道です。コントロールできない未熟な技をコントロール可能な技にしていくのも稽古です。

道場によって、その配慮の仕方や組手の練習の頻度が違います。習いに行くときには一度見学に行き、自分で納得した道場に行くことをお勧めします。

教える先生の方針もあります。組手の強い道場では、形の稽古の時間が少なく組手の練習が多いところがあるからです。身体そのものを鍛える理論を持つ道場では、体幹の確認に、背中や足をバンバンと叩いて確認する昔ながらの稽古をする道場もあります。習う前に見学した方がいいでしょう。

そして、形が習いたければ、形の得意な先生もしくは先輩のいる道場に行きましょう。

全日本空手道連盟の大会のルールでは、過度の接触行為は禁止されており、反則が取られます。子供に関しては接触そのものが禁止です。成長の妨げとなるような怪我を避けるため、健康を害するような行為は禁止になっています。このように、怪我防止のために、ルールとして設定していますが、それでも武道です。絶対はありません。

全空連には極真空手の一部の団体も入っています。日頃の稽古は流派の独自性が出ると思います。オリンピックにつながる試合に出るときにはルールに従い、道場での稽古は、自分の道場の理論で行うところもあると思います。

見学に行き、疑問点を質問して、納得してからでいいのではないでしょうか。師とは長い付き合いになります。尊敬できないと技も入ってきません。一回やってみて、ダメなら違うところに変えるのも良いでしょう。

オリンピックの形選手はどこの流派が多いの

男女一名ずつのオリンピック代表選手になるために、プレミアムリーグに参戦していた日本人選手の流派を調べてみました。

清水希容選手 

東京大会のオリンピック代表選手、女子の形は清水希容選手です。バランスの良さとキレが抜群な清水希容の形は、ぶれずバランスが良い美しい形ですね。

動画の普及で外国人選手の形のレベルが急速に上がってきて、日本で優勝したら世界のチャンピオンだという時代ではなくなっています。オリンピックの決勝戦はライバルであるサンドラ選手と一騎討ちだと思っています。オリンピックの決勝戦が楽しみです。

大野ひかる選手

オリンピックの代表を争った大野ひかる選手は剛柔流です。武道を貫く精神を感じて惹かれます。見栄えがするような大げさな動きではなく、不必要を排除することを貫く美しい形です。

岩本英美里選手

もともとは和道流の所属ですが、喜友名諒選手と同じ劉永流の形のみで競技に出ているため岩本選手が試合で行っているのは和道流の形ではありません。ですから動き自体にも和道らしさはありません。和道流に入っても、岩本選手のような動きや使っている形は習得できません。

岩本選手のプレミアムリーグなどで見られる重厚な形に憧れるなら、劉永流に師事した方がいいと思います。

喜友名諒選手

沖縄空手の劉永流です。あの重厚感、ムチミ。男子形の中では圧倒的だと思います。武道としての形をあそこまで極めたら競技空手であろうが関係ないと言う感じです。

喜友名諒選手からは出てくる気を感じます。ピタッ止まるとか、突きが速いとかだけではないのです。戦っている敵が見えてきますし、当たったらダメージを受ける攻撃だとわかります。それを感じる選手は稀だと思います。

東京大会男子の形、オリンピック代表選手です。

本一将選手

求め選手は松濤館流です。小さな体が大きく見える形は、身体能力の高さを感じさせます。本選手の形は、会場の空気を変える華やかで力強い形です。

本選手のおかげで、外国人ジャッジの松濤館の形の評価が上がっているように感じます。

新馬場一世選手

糸東流。女子形で世界選手権4連覇している若井敦子さんが総監督を務める西濃運輸の所属です。

真面目そうで実直な形だと感じます。

形はその人を表すように思います。生き方とか性格とか。

オリンピックで使える形とルール

オリンピックで使える形は約100種類で、世界空手連盟が認定する形名の中から選びます。正しい形が行われているかを評価する技術点が7割、スピードや力強さ、ダメージを与えるような突きや蹴りになっているかをみる競技点3割で採点します。

また、一度行った形は同じ試合では二度と使えないため、早い段階で強敵と当たったときに得意な形を使うか、決勝まで残しておくかなど、選手の作戦や駆け引きも見どころの一つです。

武道としての形

聞くだけでできる空手の形

武道として形を稽古をしたいのならどの流派でも構わないと思います。

生涯修行できる空手、難しく考えず、通いやすいとか、あの形やりたいとか、楽しいとか、きっかけはなんでもいいので一回やってみたら良いと思います。

通う高校や大学によって、子供の頃に何の流派であったか関係なくその部活の流派にさせられますし、色々経験してみたら良いのです。逆に言えば、一つの道場が嫌でも、自分に会う空手道場はきっとあります。空手が好きで道場や師が合わなければ変わるのはありです。

違うスポーツに興味があって空手をやめてしまっても、結婚や出産して休んでも、また戻ってきたくなる空手は、左右対象の動きであり、心身の健康にとても良いからだと思います。

親子で空手を習うことの利点

子供が空手をやるなら、保護者も一緒に習ったら良いと思います。

送り迎えして見学しているならなおさらです。保護者の方が夢中になり、生きがいや生き方が大きく変わる人たちが少なくありません。

自分が空手をやらないなら、子供の稽古に口を出さない方が良いです。

師と弟子の間に稽古をしない人間が、空手のことに意見して、プレッシャーをかけたり叱ったりすることは、せっかくの教えや考えさせていることを邪魔してしてしまうことがあるからです。

アドバイスするなら自分も習って、一歩前を歩いて、先輩として堂々とアドバイスするか背中を見せるのが良いと思います。子供も文句を言いながらも、矛盾は感じないと思います。

空手を習うことは、人生を生きるヒントになる気づきを得られるかもしれません。しかし、空手だけで教育やしつけが完結するわけではなく、家庭に学ぶ日常の教えに勝るものはありません。

まとめーオリンピック選手の形に憧れている人が空手を習うなら

やりたい形があるのなら、憧れの選手と同じ流派が良いです。

武道として修行する稽古に憧れるならどの流派でもいいと思います。

ここでは、全空連所属の空手の団体の話をしましたが、オリンピックには全空連のルールでなければ出られませんが、フルコンタクトなど独自の世界大会を行っている団体もあります。

特に考えてなければ、通いやすい自分の生活に都合の良い道場に見学に行って、ワクワクしたらすぐに習いましょう。

なんでもそうですが、やってみて合う合わないがあると思います。そして空手は、ハマったら半端なく好きになること請け合いです。稽古し続けることになるでしょう。

空手は良いです。生涯の友となり、支えとなり、自己肯定感と修行の場を与えてくれます。

オフレコ…極めて個人的な意見。形でオリンピック選手を目指すなら和道流はやめておけ。優れた理論は組手向き。

和道流の選手で形で勝ち進む姿はあまり見かけません。全日本のような大きな大会で和道流の形を見ることは少ないです。

形がシンプルで、理論が自然体です。地を這うように深く腰を落とすこともありませんし、不必要な怒鳴り声での形名の申告も、威圧する表情も、必要以上の見せるようなタメも、不自然な気合の声も嫌います。

返事は「はい」で、一般の人と変わりありません。押忍と返事をしている和道流系の人は、学生の部活で身に付けた人以外いません。相手の攻撃の方向を変える動き、柳のようにしなやかにさばいたりいなしたりする理論の形は、真正面から荒々しく、身体自体を負けない肉体として鍛え上げるような理論の流派と比べて、動きが小さく弱々しく見えているようです。

ダメージを受けずに必要最低限の動きの形は、荒々しく重厚な形や高く飛び上がる華やかな形に比べて、地味で評価されません。

「技はあるけどキメがない」と他流派の先生が言うのを聞いたことがありますが、小さな動きでキレを見せられないのは、修行が足りないのでしょう。稽古に励みます。

だからといって、勝つために不必要に腰を落としたり、タメを作ってアレンジすることしません。なので、和道流の選手が競技空手の形でチャンピオンになることは難しいでしょう。

では、和道流の空手を学んでいる人が自分の流派の形をダメだと思っているかというと全くそうは思っていません。

ナイハンチやクーシャンクーなどの先人から受けついだ形を足さず引かず後世に伝えることに誇りを持って稽古をしています。

このように、オリンピックで形の優勝を目指すなら、和道流の形では難しいです。

とは言え、和道流には優れた技が多くあります。組手の選手であれば、西村拳選手が和道流です。

形でオリンピックに出て、チャンピオンになりたい人は、和道流じゃない方がいいのかもしれません。現時点の極めて個人的な意見です。

あわせて読みたい
守礼堂オフィシャル

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次
閉じる