『ライオンのおやつ/小川糸』の内容【ネタバレ無し】

あらすじ
余命宣告された30代前半の独身女性の雫は、残りの日々を瀬戸内のレモン島と呼ばれている島のホスピスで過ごすことを一人で決めました。
そこでは、毎週日曜日、入居者がもう一度食べたいおやつをリクエストして、みんなで食べる「おやつの時間」があるのです。
雫を中心に、取り巻く人々の多種多様な生きる姿が描かれています。
ジャンル・ボリューム
日本の小説、255ページ。
ホスピスという舞台であることや主人公の雫自身の気持ちにひきずられ、死に向かっていくのだろうと若干気持ちも重いまま読むスピードもややゆっくりめにスタートしました。
しかし、雫の生きる喜び、楽しさ、毎日のキラメキに出会うたびにどんどんと読むスピードが加速して、雫の毎日が楽しみになって、最後まで一気に読んでしまう引き込む力を持っている本なのでちょうど良いボリュームだと感じました。
2020年本屋大賞にノミネートされていた『ライオンのおやつ/小川糸(ポプラ社)』は、『流浪の月/凪良ゆう(東京創元社)』の大賞に続き第2位でした。日本の小説です。
ライオンのおやつ/小川糸(ポプラ社)から学んだこと

蘇(そ)
蘇は、奈良時代や平安時代から食べられていた古代の乳製品です。平安時代の法令集である「延喜式」で、牛乳を煮詰めてできるとの記述があります
仏教では、牛や山羊のミルクを精製する過程を5段階に定めていました。それを「五味」と言います。五味は乳から酪(らく)、生蘇(しょうそ)、熟蘇(じゅくそ)へ変化し、そして醍醐(だいご)になります。
蘇の作り方は文献があるものの、そこからどのように熟成させて最高の味、醍醐になるのかはわかっていません。この醍醐は、「醍醐味」の語源となっています。
学校が休校になって、牛乳が余り出した頃、牛乳を使ったレシピがSNSなどから発信されていました。この「蘇」についても話としては知っていましたが、まさか、小説で出会えるとは思いませんでした。
長時間焦がさないように、ゴムベラで掻き混ぜながら、テフロン加工のフライパンで練り上げるように一塊にしていく作業です。
手間をかけて食べるものを作ることは、丁寧に生きることに繋がります。自分が丁寧に生きている自信は、精神の安定に繋がります。
「蘇」作ってみたくなりますね。
だいご‐み【醍醐味】 ①〔仏〕醍醐のような最上の教え。天台宗で五時教の第5、法華涅槃時をいう。 ②醍醐のような味、すなわち美味をほめていう語。浄瑠璃、最明寺殿百人上臈「粟の飯いいとは日本一の―」 ③深い味わい。ほんとうのおもしろさ。「山登りの―」 ⇒だい‐ご【醍醐】
引用元/広辞苑無料検索の醍醐味より
粥有十利(しゅうゆうじり)
曹洞宗の宗祖である道元禅師が仏典から引用してお粥には10の利益があると言いました。また、ご飯を食べる作法も著書に記されています。
- 色 … 顔や体の色艶が良くなる
- 力 … 力が湧いてくる
- 寿 … 長生きできる
- 楽 … 食べ過ぎにならないで、体が調子良くなる
- 詞清辯 … 口から出る言葉は心と同じく爽やかになる
- 宿食除 … 前に食べたもののせいで胃もたれや胸焼けをすることもなく
- 風除 … 風邪をひかない
- 飢消 … 消化も良いし飢えることもない
- 渇消 … 喉の渇きも感じない
- 大小便調適…快尿快便になる
作法通りに食べなくても、お粥の副菜が精進料理でなくても、朝ごはんにお粥を食べる習慣、良いと思いませんか?

QOL生活の質とQOD死に方の質
QOLとQODについては、もう少し考えたいと思います。
自分が先に死んだ時に、残された人にわかるようにしておいてあげるのが先です。これは、やらなくちゃと思いました。
モルヒネワイン

ワインの涙

夜間セデーション

まとめ【ライオンのおやつ/小川糸(ポプラ社)を読んで】

本を読み終えて、これからの生き方、身の回りの持ち物の整理、人生でやり残していると思うものについて考えました。
朝ごはんをお粥にすることにしました。
自分のモノを毎日ひとつでいいから捨てることにしました。